はじめに
バンダイナムコスタジオ開発の2021年9月9日に発売したゲーム、『テイルズ オブ アライズ』(略称:TOARISE、英語名:Tales of Arise)をクリア&トロフィーコンプリートしました。
プレイして良かったと思う点、気になった点について正直に書いていきます。
※直接的なネタバレは避けていますが、気になる方はご注意ください。
総評・評価

進化を遂げた新生テイルズ!RPG好きには迷わずおすすめのゲームです!!
テイルズシリーズの25周年記念タイトルを記念して開発された本作ですが、テイルズシリーズの恒例とも言える各要素が進化し、作品自体もとても丁寧に作られていて、とても快適にプレイできる楽しいゲームになっていました。
以下に良かった点をまとめます。
以下に気になった点をまとめます。
4.5/5.0
参考プレイ時間:60時間(クリアまで)、73時間(トロコンまで)
テイルズオブシリーズについては以下の作品をプレイ済みです。
- テイルズ オブ ファンタジア
- テイルズ オブ デスティニー(PS2版)
- テイルズ オブ エターニア
- テイルズ オブ デスティニー2
- テイルズ オブ シンフォニア
- テイルズ オブ リバース
- テイルズ オブ レジェンディア
- テイルズ オブ ジ アビス
- テイルズ オブ イノセンス
- テイルズ オブ ヴェスペリア
- テイルズ オブ ハーツ
- テイルズ オブ グレイセス エフ
良かった点
とにかく快適にプレイできる丁寧な作り込み
テイルズオブシリーズには、いわゆる伝統的な要素というのがいくつかあります。その代表格となるものの一つが「スキット」です。
今作にももちろん「スキット」はありますが、今までのような2Dイラストで表現されるものではなく、3Dモデルをそのまま使い、マンガのようなコマ割りの中で話が展開されるような表現に変わっています。
スキットの変化もさながら、個人的に「お、これなかなか他のゲームではなかったぞ…!」と感じたのは3Dとなった新しい形のスキットも、そしてメインストーリー中の作り込まれたイベントシーンも、ほぼ全てのシーンでセリフ送りができるところです。
開発側としては「イベントをなるべくじっくり見て欲しい!」と考えるのが普通だと思うのですが、本作はそれ以上にユーザーの利便性を重視し、ほとんどのシーンをセリフを飛ばしながら見ることができるようになっているのが、自分にとってはとても衝撃的でした。
スキットやイベントを楽しみたい人はシーン毎にじっくりと見ることも可能ですし、ストーリーさえ分かれば良い方はサクッとセリフを飛ばしながら楽しむことができる。なんならスキットはその場ですぐに見なくても後から野営で「思い返す」機能があるので、いつでも後から見返すことが可能です。
本作はこういった丁寧さが随所に感じられて、とても時間をかけて作られたんだろうな、と感じました。

他にも、ユーザーの利便性やゲームのテンポを良くするために以下のような配慮がされています。
- マップ間のファストトラベルが可能。同じマップ内でも細かくファストトラベルポイントが設定されている
- テイルズオブシリーズでは恒例となっていた戦闘終了後の決めポーズ・セリフ等がカットされ、戦闘終了後はすぐにフィールド画面に戻る
- サブイベントの発生する場所がマップ一覧とそれぞれのマップ内にアイコンとして記され、自分で隅々まで探す必要がない
これぞテイルズオブシリーズだ!という要素は残しつつ、新世代のテイルズとしてとても快適にゲームができるようになっていました。他にもたくさんのゲームの選択肢がある現代のゲーマーにとって、この快適さは嬉しく、高く評価したいポイントです。
フィールドとキャラクターのグラフィックの親和性が高く美しい
本作はキャラクターデザインがアニメ風の水彩調に作られていて、人形感がなくて自然に見えます。キャラクターがアップになっても違和感がなく、特にシオンは僕自身がここ最近やったゲームの中では群を抜いて綺麗でした。各キャラのコスチュームを集めるのも楽しかったです。

ファミ通のインタビュー記事に記載の通り、今回は「アンリアルエンジン4」ベースのエンジンを使用しつつもスタジオ独自でシェーダーを開発しており、シリーズ初の試みとしてキャラクターデザインとアートディレクションを同じ方が担当されています。それが功を奏してか、キャラクターとフィールド上のグラフィックの親和性が高くて、見ていて思わず感心してしまうレベルでした。

グラフィックにオリジナリティとリアリティを感じられ、フィールド・キャラクター共に美しかったです。
戦闘が楽しく、ボス戦は達成感がある
テイルズオブシリーズといえばアクション要素を含んだ「戦闘」です。本作は今までのシリーズ作品と同様、通常攻撃に加え様々な術技を繰り出すことができる他、キャラ毎のブーストアタックや秘奥義、連携技のブーストストライク、カウンターレイド、オーバーリミッツなどがあり、戦闘画面が目まぐるしく動き常にプレイヤーを飽きさせないよう様々な要素が盛り込まれています。

選ぶキャラ毎に操作感が全然違うのも面白いです。今作ではキャラ毎に特性が用意されており、ただ通常攻撃と術技がキャラ毎に違うだけでなくそれぞれはっきりとした特徴を持っているので、用意されているプレイアブルキャラクター毎に全くプレイ感が異なります。キャラ毎に操作感が新鮮で、色んなキャラを操作するのが楽しかったです。
ボス戦についてはかなりやりごたえのある難易度設定となっていました。通常のザコ敵は比較的簡単に倒せる敵が多いのですが、ボス戦や固有のユニークエネミー(ギガント)になると途端に難易度が跳ね上がります。とは言え理不尽な敵というのはおらず、しっかりと対策を考えて攻略法を練れば倒せて、レベルが十分であれば丁度良い難易度と達成感を味わえる難しさで、苦労しながらボスを倒すのが楽しかったです。
気になった点
後半のストーリー展開はついていけない部分もあった
本作は仲間が揃っていき絆が深まる過程は見ていて楽しくて、キャラ同士の掛け合いも面白いです。ストーリーもただ悪いやつが出てきて単純に倒すだけのストーリーではなく、種族の隔たりやその中での折り合いの付け方、キャラそれぞれが抱えているものとの向き合い方など、特に序盤から中盤にかけての盛り上がりはとても良かったです。
ただ、後半のストーリー展開はちょっとついていけない部分がありました。具体的な内容は控えますが、話の内容も突拍子も無い感じがしてしまい、ユーザーに対する話の展開もイベントシーンやスキットが連続で続き過ぎて、進めていて疲れてしまう部分もありました。終盤に説明を詰め込んだ感が否めず、もう少しどうにかなったんじゃないかな、と感じてしまいました。
サブクエストはあまり印象に残らない
本作では多くのサブクエストが用意されており、通常戦闘でモンスターがお金を落とさない以上サブクエストでお金を貯めることがとても大事なのですが、サブクエストは所謂「お使い」と言われるものが多く、特定の素材を集める・特定のモンスターを何匹倒す系のクエストはやっていて作業感が強かったです。

一部笑えるものや感動するものもサブイベントの中にはあるのですが、全てクリアした後で思い返しても印象に残っているサブイベントというのは正直多くありませんでした。
DLCは個人的には気にならなかった
発売当初話題になった、DLCについて少し触れておきます。
本作では買うとレベルアップができるDLCや、ゲーム内通貨が貰えるDLC、コスチュームやBGMのDLCや経験値が2倍になるDLCを含め、数多くのDLCが用意されています。一部の方からは野営中にDLCについての宣伝が出ることも含め、批判的な意見もありました。

個人的にはDLCは買いたい人は買って利用すればいいし、嫌な人は買わなきゃいいんじゃないかと思うので、DLCに関しては特に気になりませんでした。
「時間がないけどゲームはやりたい!」という方は時短になるDLCを色々買うことで効率的にプレイすることもできるようになりますし、「DLCには手を出したくないな…」という方も、DLCを購入しなくてもゲーム内で難易度がいつでも変えられるようになっています。
「DLCを買ってゲームを有利に進めることもできるよ」、という選択肢が与えられているだけだと捉えました。
まとめ
個人的には『テイルズ オブ グレイセス エフ』以来のテイルズオブシリーズでしたが、プレイしてみて本当に良かったと思いました。
PS5で発売した初テイルズでしたが、予想を超える進化を遂げていて、このシリーズの良さを思い出すことができました。

自分にとってもテイルズオブシリーズに対しての熱を再びアライズしてくれた、作品名に劣らないゲームでした!
では!
トロフィーについて
基本的には本作を余すこと無く楽しむだけでトロフィーコンプリートが可能です。
RPGにしては珍しく、取り逃し要素がほぼないゲームですので、トロフィー的にも取り逃しの発生はほぼないと思います。ストーリーを進めるともう一度行くことができなくなってしまうマップも一部あるのですが、そこにも実は救済措置が用意されています。
ただ、スキットは野営で思い返すことが可能ですが、トロフィーコンプを目指す人は念の為発生時点でスキットは見ておいた方が安全だとは思います。
クリア後は先にレベル上げをしてしまったほうが色々と楽だと思います。敵のレベルが自パーティより高いほど経験値も多くもらえるので、レベルの高い敵と戦闘できるサブイベントを先にクリアしていくのが効率的だと思います。
余裕のある方はトロフィーだけでなくついでにゲーム内のレコードもコンプを目指すのはいかがでしょうか。
自分はプラチナトロフィーまで約73時間かかりました。ご参考まで。
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